いつか野口さんに建ててもらおうと心に決めていました。

久原鋲螺㈱代表取締役社長

久原 賢一 様

  • ネジは縁の下の力持ち

  •  鋲螺(びょうら)とはネジのことで、当社は工業用のネジやボルト・ナットの商社です。およそ五万種類をそろえ、主に機械メーカー様に納品しています。
  •  ネジは身の回りのあらゆる製品に使われています。一つの製品に何十種類と使われていることも少なくありません。
  •  「ネジ一本ないために輸出の船に乗せられない」などという言葉もあります。たった一本のネジが欠けただけで、大きな問題や事故につながる恐れがあり、そのままではお客様にお届けできないのです。新幹線や飛行機などを例にご想像いただくと、わかりやすいかもしれません。ネジは目立つことはありませんが、非常に重要な役割をしており、まさに縁の下の力持ちです。
  •  このような貴いネジを扱う企業として、大きな責任と誇りを感じています。
  • モノ作りで、世界で飛躍したい

  •  受注の際は、お客様の製品に必要なネジの種類と数をリストにしていただきます。「すぐに欲しい」とおっしゃることがほとんどで、リストの中の一種類も、一本も欠けることなく、一発ですべてをそろえて速やかに納品します。「このようなネジを探している」「製品を一台しか組み立てないのだが」といったご相談にも細やかに応じます。
  •  お客様には決してご不便をおかけしてはいけません。そのために沢山の在庫を持ち、備えておく必要があるのです。

  •  また、営業部員のネジの知識も物を言います。当社では受注、出荷作業、配達まで営業の仕事です。新入社員はネジの種類などを覚えるために一年間、倉庫にこもり出荷作業に専念します。ネジの製造現場を知ることも大切で、定期的にネジのメーカーさんの工場や問屋さんも見学させていただきます。
  •  私が若い頃、お客様から「タッピングネジが電気ドリルで穴に入っていく時の手応えがいつもと違う。メーカーを変えたのか?」と言われたことがありました。しかしメーカーさんを変えたわけでも、ネジの寸法に狂いがあるわけでもないのです。それでもお客様は作業効率が下がり、不便を感じておられるのだから放ってはおけません。ネジ工場の方にいろいろと教わりながら必死で勉強し原因を追究したところ、ネジの先のドンクという部分が、何らかの影響を与えているということがわかりました。ネジはなかなか奥の深いものなのです。ハプニングや失敗を何度も経験して気づくことができます。
  • 永く愛される企業でありたい

  •  当社は私の父が創業し、今年で60周年になります。今から約20年前に私が跡を継いだ頃、著名な経営コンサルタントの方の勉強会で「京都の企業は、野口さんに仕事を出せるようになれば一人前」と聞き、当社もいつか必ずと心に決めていたのです。
  •  野口さんは非常に丁寧にお仕事をされます。打合せを何度も重ね、要望にきめ細やかに応じてくださいました。特に出荷作業台は、これまで通りの作業環境にこだわり、野口さんに作っていただきました。地鎮祭や工事のどの工程においても、スタッフの皆さんが力を入れてくださっている姿が印象に残っています。
  •  京都では、100年を超えない企業はまだまだヒヨコだといわれます。お客様のニーズを捉えて貢献し、永く愛される企業を目指していきます。