私が考えもしない、野口さんからの提案がありがたいです。

ショコラ ベルアメール
ジェイ・ワークス㈱代表取締役

大平 哲 様

  • 好奇心から、たびたび海外へ

  •  私は、水引の産地・愛媛県中央市で生まれ育ちました。実家は、祝儀袋の納品箱など、様々なパッケージを作る会社です。
  •  愛媛から東京に出て、サラリーマンを二年間経験した後、実家の見様見真似で自分のパッケージ会社を起こしました。
  •  起業して間もない若い頃は、何度も何度も、ヨーロッパやアメリカに行っていました。ドイツのニュルンベルクに、サンフランシスコ。27歳で訪れたニューヨークは、まだ非常に治安の悪い街で、日本人観光客は見当たりませんでしたが、とにかくかっこいい店がたくさんありました。
  •  海外に仕事があるわけではなく、ただ好奇心で訪れていたのですが、この時に経験したたくさんの驚きや感動が、後の仕事につながっています。
  • お客様にほめられるのがいちばん嬉しい

  •  起業後しばらくして、ギフト商品を手がけるようになったことをきっかけに、パッケージの箱だけでなく、中に入れるもののクオリティーまで追求するようになりました。ついには洋菓子の開発に挑戦し、独自ブランドを次々と立ち上げるに至ります。「ショコラベルアメール」はその代表格です。現在は洋菓子専門店を全国に広げ、主要百貨店にも出店させていただいています。
  •  お客様から「とても美味しかったです」「感動しました」など、私に直接、店頭でお声がけいただいたり、お手紙をいただいたりすることがあり、これが嬉しくてたまりません。お客様に喜んでいただくことこそが、当たり前のことかもしれませんが、私のもの作りの原点です。
  • 京都の意外性に惹かれて

  •  京都は、私が好奇心を抱いた町の一つです。和風で古風なイメージが強い半面、実はパンやコーヒー、チョコレートなど洋のものが好まれます。「このギャップがおもしろそうだな」という思いから「ショコラ ベルアメール 京都別邸」を出店しました。
  •  京都別邸のチョコレートのコンセプトは、京都らしさ、すなわち、ジャパニーズモダンです。京都の文化は日本の文化といってよいでしょう。京都の素材を活かした洗練された味、デザインにはやわらかさ、楽しさのあるチョコレートを創造しています。
  •  店の建物は町家を改装したわけですが、和のイメージに偏りすぎないよう工夫しました。正面にある塀は、店内への視界を遮り、お客様が入りにくいので、なくしてしまうつもりでしたが、野口さんから「残しておいたほうがいいですよ」と言われました。店のデザインの鉄則とは真逆の発想に非常に驚きましたが、「塀で町家の雰囲気を残し、店内に入った際には吹き抜けもあって、視界が広がるのが良い」とのこと。なるほど、と思いました。野口さんは京都での建築のプロの立場で積極的に提案してくださるので、とても助かっています。
  •  京都別邸は、おかげさまで予想以上に、一階の売場も二階のカフェスペースも、毎日、多くのお客様にお越しいただいています。今後は、チョコレートの本場・ヨーロッパではなく、ここ日本の京都で創り上げたチョコレートを、自信をもって世界に発信していきたい、さらにはチョコレートだけでなく日本の食文化の魅力も世界に伝えていきたいと思います。