生け花と建築とは切っても切れない関係にあり、似た部分も少なくありません。たとえば、当流派では、花の数と種類をなるべく少なくし、最少の要素で洗練された豊かな空間をつくるのを重要視します。一つ一つの枝、花、葉っぱの姿が際立つよう、それらをすべて計算して生けていくのが流派の考え方で、この根底までそぎ落とした。「引き算」 による造形美は、建築家のミースが唱えた「Less is more」と共通するものです。また、生け花が「右長左短」といって、左右非対称を重視するように、日本の建築や造園もそれを好む傾向があります。