堅実な会社で、私が目指す本物の実現に欠かせないパートナーです。

㈱土井志ば漬本舗 代表取締役社長

土井 健資 様

  • 脇役の漬物を主役に

  •  しば漬は、建礼門院が「紫葉漬」と命名した由来があるとおり、大原ならではの名産です。大原の紫蘇は山聞の気候に加えて、中国古来の品種を同じ畑で大事に育ててきたため香りがよく、「しぱ漬」とはその紫蘇で夏産のナスを漬け込んだ大原産だけをいいます。
  •  当社は未だに木製の八石樽による昔ながらの製法で、志ぱ漬を漬けています。木樽でないと、空気が樽の中を通って独特の酸味の出る発酵をしてくれないからです。こうして本物の味を大切にする一方で、世の中の健康志向や嗜好の変化に合わせて、塩加減や酸味をマイルドにするなど毎年ひと工夫を重ねてきました。特に若い人は、漬物をあまり食べなくなっています。何とか漬物の裾野を広げたいと立ち上げたのが"漬物を食卓の主役に"をコンセプトにした竈炊き立てごはん・土井」です。
  •  当社はもともと、明治32年の創業時、若狭街道を行き来する行商の方に、タバコやお酒、塩などの販売のほか、軒先で炊き立てのごはんと志ば漬をお出ししていました。その原点に帰って、竈で炊いた温かいごはんで自家製のおいしい漬物を味わってもらうとともに、漬物の天ぷら、漬物の技術を用いたさわらや鮭の味噌漬など、由来を大切にしたおばんざいも一緒に楽しんでいただけます。おかげさまで好評を得て、多いときにはごはんを23升ほど炊くなどうれしい悲鳴を上げるほどです。
  • 大原の玄関口にふさわしい建物

  •  野口さんは、顧客の要求に応えて確実なものを建てられる、非常に堅実な会社です。安心して任せられるので、本店や工場、自宅をはじめ、四条通りの祇園店などいろいろとお願いしてきました。本店・工場などが建つ現在地は、大原の玄関口にあたります。当社としてはそれにふさわしい雰囲気の建物にしたいと考えていたところ、白壁と屋根瓦の当社らしい建物に仕上げていただき、京都市の景観賞を受賞しました。私としてもたいへん誇りに思っています。
  •  アフターサービスが丁寧なのも野口さんならではです。ある夜、自宅の風呂が故障して入れなくなり、夜の10時頃でしたが、野口さんへ連絡しました。すると、担当の方が30分ほどで飛んできて応急処置をしてくださり、おかげで風呂に入れて大感激。お互い信頼関係も厚く、私が目指す"本物"にふさわしい建物造りには、野口さんは絶対にはずせません。「土井」の改装はもちろん、本店東側の紫蘇農園の周囲に遊歩道をこしらえ、そこに住佐野藤右衛門さんの桜などを植える工事も、野口さんに依願しました。紫蘇畑を散策しながら、お花見もできます。
  • 2015年8月に京都駅八条口前のメイン通路に、「竈炊き立てごはん・土井」を出店する予定です。炊き立ての温かいごはんと漬物のほか、本店のメニュー以外にも志ぱ漬のコロッケ、すぐきの豆乳しゃぶしゃぶなど漬物が主役の料理や、夜はお酒も飲んでいただけるほっこりできる空間にしたいと思っています。
  •  当社の経営理念は「温故一新」。古き良きものを大切にしながら、新たなものを創り上げ、次の世代へ譲り渡していきたいですね。