いい建物をつくろうとする熱意に感動し、すっかりファンになりました。

㈱伏見上野旭昇堂 代表取締役社長

上野 泰正 様

  • オンリーワン商品の開発

  •  当社は昭和43年9月、父(現会長)が本家の上野旭昇堂から独立し、うちわ・扇子とカレンダーの製造を始めたのが興りです。夏場のうちわ・扇子と、冬場に売れるカレンダーの二本柱体制を敷いたため、一年を通して安定した売上を上げられるようになっただけでなく、当社だけのオンリーワン商品の開発にも力を入れてきました。その代表がキャラクターうちわと不織布カレンダーです。
  •  竹と紙製の本格的な京うちわは本家のご商売と重なるため、苦肉の策として新ジャンルを開拓したのがテレビや映画のキャラクターのうちわでした。オバケのQ太郎を第一号に、ポケットモンスター、アンパンマン、キティちゃんなどの権利を相次いで獲得して発売したのが大当たり。今では、キャラクターうちわ・扇子に関しては、80%のシェア(自社調べ)を持っています。他方、不織布カレンダーは独特の風合いが特長で、一枚ものとしては定番商品で、こちらも全国シェア60%です(自社調べ)。
  • 従業員が力を最大限に発揮できる環境づくり

  •  以前の旧印刷工場は作業環境が良くなく、また倉庫は手狭で空調設備が不十分な上、荷物用リフトも旧式など、およそ従業員が働きやすい環境とはいえませんでした。当社は「会社で働くすべての人の物と心の両面の幸福を追求します」を経営理念としており、あまりにかけ離れた職場環境を改善したいと、伏見納税協会で知り合った野口建設新都さんにご相談したのです。
  •  きっちりした会社という野口さんの評判を以前から聞いていましたので、こちらの要望を伝えて、工場用地の斡旋から建築まですべてをお任せしました。結果には、非常に満足しています。まず、工事の参考に岐阜の同業者の工場まで見学に行かれた熱意に感激しました。また、月間報告書には日々の作業内容や変更事項、打ち合わせ事項が写真付きで整理されており、現場へ出かけなくても、工事の進捗状況が手に取るようにわかります。

  •  工事中の近隣のクレームはゼロ。施工後も何かあればすっ飛んできて直してくださる。さすが評判通りの会社だといっぺんにファンになりました。いい会社とは「お客様をファンにするのだ」と教えられた気がします。
  •  2014年5月に完成した新工場は3階建て、延床面積1,360㎡。1階が印刷工場と出荷場・事務所、2階が一部印刷工場と倉庫、3階が倉庫です。全館に空調を完備し、地球環境を考えて室内照明にLED、屋根には太陽光発電システムを導入。従業員が働きやすい快適な工場となりました。
  •  私が目指すのは、本業のさらなる掘り下げです。竹と紙による伝統的なうちわや扇子が送る風は、しなりなどの関係でプラスチック製とは微妙に違います。その製造技術と日本文化を未来に継承するために、内製化して職人を育成していっています。カレンダーも二十四節気など日本の文化と深くかかわっているもの。それぞれの製品が人々の暮らしに安らぎを提供し、ふれあい豊かな社会文化づくりに貢献していけたらと願っています。